『ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた』

PRIDUCTION NOTE

    ■町を挙げて応援”ボストン ストロング” #2

    マラソンのゴール地点は一から作った。爆弾が爆発するシーンでは、人でぎっしりと埋まった通りをざっくりと撮るのではなく、通りとその周辺を上から撮る方法が用いられた。そのために120フィートにも及ぶ通りと、脇の歩道や店までしっかりと再現した。「あの日、ジェフが見た風景をそのまま再現したかった」とプロダクションデザインを担当したスティーヴン・カーターは語る。
    マスラニーは、マラソンのシーンにある種の危険性を感じていた。「ボストン市民にとっての恒例行事での爆弾テロ事件を語るには、時期尚早だった。事件はまだ地元の人々の記憶に、鮮明に残っているの。撮影を行っていた間、ボストンマラソンが開催され、私もエキストラを務めてくれた地元の人々とコースを走った。胸がいっぱいになったわ。地元の人々がどういう気持ちだったのか、私には想像できない。でも、皆がエキストラとして参加してくれたことに、ものすごく感謝している」
    ボストンは市を挙げて協力し、映画をサポート。伝説的な野球場、フェンウェイパークでの撮影も実現し、レッドソックスの開幕戦でボーマンが始球式のピッチャーを務める感動的なシーンが撮影された。また、ボストン・ブルーインズのホームアリーナでボーマンがアイスホッケーの試合に登場するシーンでは、公式戦の後、5000人のファンが会場に残りエキストラとして参加した。ポローノはこう語る。「ファンは心の底からボーマンを応援し、愛し、熱狂してくれた。ジェイクはそれまで、ボストンの人々の存在をおぼろげには感じていたが、あの晩、しっかりと感じられたと思う。それは演技の面でも大きな力になったはずだ」