『ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた』

PRIDUCTION NOTE

    ■共演者が生み出すパワー #1

    ボーマンがゴール地点で待っていた元の彼女で、後に結婚するエリン・ハーリーを演じたのはタチアナ・マスラニー。SFスリラーTVドラマシリーズ、「オーファン・ブラック 暴走遺伝子」でエミー賞を受賞している。
    グリーン監督によると、マスラニーが役を獲得したのは繊細だが動じないキャラクターへの理解と同時にギレンホールとすごく相性がよいことだったという。マスラニーは語る。「脚本は本当に素晴らしかった。誰のことも美化していません。悲劇にあった個人だけでなく、周辺の人間全員がどう影響を受けたかを描いている。こんな仕事にかかわれるのは本当に喜びでした」
    また観客が映画で出会うエリンは、あくまで本物についてのマスラニーの解釈だと彼女は言う。「潜在意識のレベルでは演技に影響を与えましたが、彼女をまねようとはしませんでした。この役をもらったらすぐ、私は走りはじめました。マラソンを走る人を尊敬します。私は9マイル(14キロ余)走れるようになりました」
    一方、激しい愛情にあふれる母親、英国女優、ミランダ・リチャードソンが演じる猪突猛進のボストン女役は、ギレンホールたっての願いで実現した。「ジェフにとって母の壁を破るのは容易ではない。ミランダ演じるパティとの場面をひとつひとつ演じるのは、素晴らしいゲームだった」とギレンホール。
    上流階級の女性役が多いリチャードソンだが「私自身取り組んだことがない役だったけど、家族のダイナミックス(力学)に巻き込まれるというのも、やってみたいことでした」
    彼女はその美貌を目立たなくするメイクに加えて、ボストンなまりを使いこなすためハリウッドの一流方言コーチ、ティム・モニックの指導を受けた。